【共同親権】で傷付く子供を目の当たりにした時のはなし
共同親権についてよく知らなかった時は、
「そもそも、離婚した2人が一緒に子育てなんてできるの?」
なんて思ってました。
では実際にどうなんだ?と聞かれると、良し悪しがあるなってとこでしょうか・・。
離婚を経験した元夫婦でも、我が子のことを一番に考えている者同士、意外と成り立つもんなんだなと思うこともよくあります。
今回は、第三者の私が端から見ていて、子供がかわいそうだな・・と思ったことがあったので残しておきます。
パパとママの意見がぶつかった時、子供は?
少し前になりますが、Covid-19の影響で休校していたイギリスの小学校が少しずつ希望者を学校に戻そうとしていた時の話です。
Kちゃんは学校が大好きで、友達に会えず毎日寂しそうだったし、数ヶ月後にはその学校を卒業してセカンダリースクールに進学予定。仲良しのお友達ともバラバラになってしまう。
当たり前に希望して学校に戻るものだと夫も私も思っていました。
「もうすぐ学校に戻れるね!良かったね!」
と声を掛けたところ
「学校に行く友達もいるけど、私は行かないよ」
との返事が・・。
そのタイミングでは学校には行かず、自宅学習を続けることをママと決めてしまっていました。
それは、ママの家に持病を持つ義理父とまだ1歳の妹がいることを懸念してのことでした。
「素直な気持ちは学校に行きたい、けど、それが100%正しい選択だと確信は持てない」
「もし学校に行っても、コロナを持ち帰ることがあったら・・という想いがいつも頭の片隅にあって、1日中不安な気持ちで過ごすことになると思う。それは嫌だ。」
そんなようなことを言ってました。
それを聞いた夫は激怒。
ママの家に持病を持つ家族がいると言っても、その持病は日常生活に支障はなく彼は職場にも通っている。
正直、そもそも彼は夫にとっては他人だし。
なのに、幼い娘が我慢しなきゃいけなくて、まともに教育も受けさせてあげられないことが許せなかったようでした。
「どうせお母さんからメディアの受け売りを吹き込まれたんだろ」と言いのけた後、
長期化するであろうウイルスに極度に怯える必要はない、
学校はシリアスな対策を講じていて危険な場所ではない、
「with コロナ」の生活に早く慣れるべき、
つまり、学校へ行くべき。
と、感情的に自分の意見を述べ始めました。
・・・うん、その気持ちはよーーくわかる。
でも夫は、その怒りをKちゃんにぶつけるべきではなかったと思う。
そこに異論があるのなら、一度持ち帰って、夫が直接、前妻に話をつけるべきでしょう。
「ねぇ、その話、前妻と直接話した?」
と私が止めに入った時には既にKちゃんの目はウルウル。
初めは黙って何かを考えながらじっと聞いていたKちゃんも
「私にはどうしようもできない!持病を持つ家族がいるのは私のせいじゃない!!!!」
と泣き叫び、部屋を飛び出しました・・。
確かにKちゃんはもう10歳で、大人が間に入らなくても予定の調整くらいはできるし、もう自分の頭で考える事もできる。
でも、まだまだ大人の誘導がないと正しく判断できないことがいっぱいある。
コロナに関しては日々情報が交錯する中で何が正しいとかない。
各家庭で各々抱えるものが違う中、色んな考え方があって当たり前。
その中でパパとママが全く違うことを言っていたら子供は困惑するしかない。
そして、なるべくパパママがお互いにそれぞれの生活のことを報告していたとしても、
それぞれの家族が置かれた細かい状況や家族の関係性、温度感なんかはKちゃんしか知りえない。
Kちゃんの前で、その場にいないママやママの家族のことを悪く言うべきではないし
Kちゃんの前で、その場にいないママの考えを全否定して自分の考えを押し付けるべきではない。
普段なら、夫はその暗黙のルールを守っているけど、
この時ばかりは頭に血が上り、Kちゃんに自分の考えを伝えようと必死で、
思いやりに欠けていたみたいです。
気持ちはわかるんだけどね。
結局、その騒動の後すぐに学校に戻ることはなかったけど、
夫は前妻を交えてKちゃんともたくさん話し合いをし、実の両親にも相談しながら、
みんなにとっての何がベストかを考えた上、夏休み直前に学校に戻ることになりました。
卒業前に先生やお友達に会えて、Kちゃんにいつもの笑顔が戻りました。
でもそこにたどり着くまでは、長い長い時間を過ごしたKちゃん。
精神的にも落ち込んで、ipadを抱えて部屋に閉じこもったり、暗い部屋でぼーっとしていることも多かったし、キッズカウンセラーにもお世話になった。
共同親権だと、子供の生活の50%をパパが見て、もう50%をママが見ることになる。
全体を通して子供の生活100%を中立の立場で見られる大人がいないのって、子供に負担になることも多いのではないでしょうか。
同じ境遇の兄弟なんかがいたら、少しは心強いかもしれないけど。
二つの家族が協力しながら生活するって難しいなぁ、と思わされた出来事でした。