「ステップファミリー」の日常とモヤモヤについて。 継子Kちゃんは、月の2/3をママの家で、1/3をパパの家で過ごしてます。

【新型コロナ(3月16日現在)】【イギリス】買い占め客が集まるスーパーであった良い話

イギリス国内でもパニック・バイと思われる買い占めをする人が増えてきました。

 

そんな最中ではありますが、今日はスーパーまでいつも通りの買い出しに行ってきました。


スーパーの入り口には「必要とする人の元に必要なものが行き届くよう、適量を購入してください」の注意書きが。 

確かにいつもより人も多いし、店員さんもひっきりなしに商品を運んでて忙しそう。

 

買い物を一通り終えレジに行くと、案の定、どのカウンターも長蛇の列。

しかも一人一人が大量買いしているので見るからに時間がかかりそうな感じ・・。

あぁ、私は少しだけしか買わないのにどれだけ待たされるんだろう、と憂鬱な気分になりながらも一番列が短そうなカウンターに並びました。

 

私の前には1人で買い物に来ているおじいさんが、その前にはお兄さんが並んでました。

お兄さんは24個入りのトイレットペーパーを持っています。

 

おじいちゃんはお兄さんが持っているトイレットペーパーが気になっている様子で「ワシもトイレットペーパー買っといた方がいいかもしれんな・・」とボソボソ呟いています。

 

そうこうしているとお兄さんがお会計する順番になり、お兄さんがお金を払おうとしていると・・

 

おじいさん:「・・・そのトイレットペーパーはどこにあったかね?」

お兄さん:「一番奥まで行って、角を曲がった左手にありましたよ。」

 

えぇーおじいちゃん!今、心を決めたの?!

おじいちゃんのお会計の順番は次で、しかもトイレットペーパー売り場は一番遠いよ!!

おじいちゃん杖持ってるし、これは待ち時間が伸びそうだなぁ。

あぁ、この列はハズレだったか・・。

 

なんてことを考えていると、それを聞いていたレジのお姉さんが会話に入りました。

 

レジのお姉さん:「おじいちゃん、トイレットペーパーも買う?このお兄さんが買ったのと同じやつでいいの?私が取ってくるね!」

おじいちゃん:「本当にいいのかい?」

レジのお姉さん:「もちろん、ずっと座ってて少し動きたかったのよ。すぐ戻るからちょっと待ってて!」

 

するとお姉さんはダッシュでレジを離れ、トイレットペーパーを持って走って戻ってきました。

 

おじいさん:「本当にありがとう。助かったよ。」

レジのお姉さん:「ぜーんぜん大丈夫!でもね、持ってくる途中に取っ手がちぎれちゃったんだけど許してね!あははは」

 

確かに大容量のトイレットペーパーについている取っ手の片方が切れてヒラヒラしています。

全然気にしないよー、とおじいさん。

しかし、それを近くで聞いていたさっきのお兄さんが戻ってきて、自分が買ったトイレットペーパーをサッとおじいさんに差し出しました。

 

お兄さん:「なら、僕のと交換しよう!同じ商品だし、僕は取っ手がなくても大丈夫。」

 

こうしておじいさんは無事にトイレットペーパーを購入し、杖をつきながらもしっかりした足取りでお店を後にしました。

 

レジのお姉さん、多分買い占めのお客さんがひっきりなしですごく疲れてたと思う。

それなのに、目の前のおじいさんを助けてあげたい、自分にできることをやってあげたい、っていう気持ちが私にまで伝わってきて・・。

お兄さんも、あんなに自然にオファー出来るなんてみんなに優しい人なんだろうなぁ。

 

長い列を見ただけで憂鬱な気分になったり、おじいちゃんのスローな行動にちょっとイライラしてしまった自分を叱ってやりたい・・。

 

ピリピリしがちなこのタイミングだけど、まだまだこの街は温かいな、と幸せな気分になったのでした。